2008年09月28日

フライング記事から神舟最新号に疑惑続出

 オリンピックにずっと押されて、閉幕後もなかなか関心が高まってこなかったロケット打ち上げですが、発射前になってやっとエンジンがかかってきたのか、テレビでソフトなプロパガンダ映像を垂れ流しまくってました。誰か見てたのかな、これ。

 おお、そういや発射後の乗組員のやり取りが発射前に一瞬だけ新華網にうpされ、速攻で削除されたそうですね。

 新華社から皆様へ謝罪(2008/09/26 21:49 新華網)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-09/26/content_10117833.htm

 9月25日、神舟七号発射前、本サイトは操作ミスが原因で誤った内容のニュースを発表してしまいました。謹んでお詫びいたします。
 何か誤報を出したことは伝わるのですが、どのニュースを指しているかさっぱりわかりませんねえ。そもそも新華社が誤報に対して詫びを入れてくるなんて聞いたことないですけど、心ある新華社記者からのシグナルでしょうか。どうミスするとこういう記事が誤配信されるのか聞きたいものです。

 ああ、消されたと言われる簡体字版は見つかりませんでしたが、繁体字版までは手が回っていなかったのかキャッシュが拾えました。

 太平洋上の眠れぬ夜 神舟七号、30周目の観測記(2008/09/25 09:04 新華網)
http://72.14.235.104/searchq=cache:gWZaozVbqDIJ:
big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/mil/2008-09/25/content_10107048.htm+
%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E4%B8%8A%E5%A4%9C%E6%9C%AA%E7%9C%A0&hl=zh-
TW&ct=clnk&cd=1&gl=hk

gobaku
 発射当日の朝に発射3日目を伝えているという物凄い記事ですね。更に物凄いのは、シャトルを観測するために太平洋上に出た観測船・遠望一号内部と神舟七号乗組員の生々しいやり取りが克明に記載されている点です。

 中国は宇宙開発ではなく時空間開発に乗り出したのか、タイムマシンの発明に成功し未来を見ることが出来るようになったのです。これはもうアメリカなど足元にも及ばない超大国となった証、さすが世界一優秀な中華民族です。

 んな訳ありませんね。「発射2日後の様子」ってだけならともかく、予定稿としても言い訳の聞かない内容ですし、今年だけでもチベット、五輪と自作自演や口パクなど過去の手法を振る活用していましたけど、今回はフライングを見せてくれました。船外作業中の疑惑の映像も相まって、壮大な革命劇の一部を見せられていたのかもしれません。

■疑惑の映像
http://jp.youtube.com/watch?v=s_1XlnwM1pc
 アポロも月に着陸していなかったので大したことではない、とか言うのでは。
ニックネーム aquarelliste at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息

2008年09月26日

それでもお咎め無しの国家質検総局

 今日中国から帰ってきたんですけど、予想より早く着いてしまい空港内で時間を潰そうとネットに繋げていたんですが、先にいた隣の兄ちゃんがyoutubeになにやら書き込んでまして。

 何書いてんのかなあとのぞいてみたら、桜井よし子タソの動画に「中華民族は優秀な民族」的なお決まりな内容だったんです(なんか口調が宇能鴻一郎みたいですが気にせず)。

 ネット上では嫌というほど見てますが、いわゆる中国の愛国者をリアルに見たので「うおーすげー」とウキウキしてしまいました。すごい確率です。これも日ごろの行いでしょう。

ttp://jp.youtube.com/watch?v=t2BNC_q-WDg

18980108 (5 時間前)
雄大な国土と壮観な人口、そして豊富な地下資源と強力な軍事力・・・その全てが超大国となる条件を揃っている。何よりも大切なのは、我々中国人には熱い愛国心と団結力がある!いかなる勢力も我が偉大なる民族の発展と繁栄を止めることは出来ない!

 私が見た書き込みはこれです。日本に来てもこれなのね、と改めて感心してしまいました。ヘッドホンがソニー製だったのはご愛嬌ということで。

 というわけで、また中国に行ってました。昨日、神舟七号が打ち上げられましたが、その前日(24日)は、飛行士の田舎から家族のどうでもいい話を垂れ流す中継や、打ち上げ地点の甘粛省酒泉市で行われているうさんくさい記念イベントを延々と流していました。

 今回は飛行士全員が農村出身というのがウリなんでしょうかね。その割には、私がいた土井中一丁目には打ち上げを匂わせる例の紅い垂れ幕がいっこも見当たりませんでした。まだまだ北京五輪の方が食いつきがよく、「中国は今回金の数が一番だった」「これまでのトータルで日本を抜いた」と同じ事を聞かされました。国威発揚という一番の目的で五輪の後れを取っていることは間違いありません。まあ、もう3回目ですしね。

 5号の時は北京にいましたので、航空、軍事、科技系の大学には少なくとも祝福する垂れ幕がかかっていました。よそもこの程度の関心しか払われていないのでしょうか。ちなみに私がいたのはZ省N市ですんでよろしく。

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 石家庄副市長が牛乳を飲み干す 不安払拭のためか(2008/09/25 18:42)
http://china.huanqiu.com/roll/2008-09/237258.html

 日本でもいつか見た光景ですけど、新しく来た農業生産担当の副省長がスーパーでごくごくと牛乳を飲んだそうです。中国でも3年前に黒龍江省長が汚染されたとする水道水を飲み干して、不安を取り除こうと試みたことがありました。あの時も本当に水道水を飲んだのか定かではありませんでした。

 今回副省長が飲んだのは言うまでもなくメラミン混入で問題になっているご当地企業、三鹿集団製かと思いきや、そうではなさそうでして、かといって伊利、蒙牛など他の大手製品なのかといえばそれも分かりません。書いてないので判別しようがないのです。

 副市長に続いて、同行した市工商局、質量技術監督局、商務局の責任者らも数種類の乳製品を次々と飲み、伊利、蒙牛、光明などの乳製品を無料で提供したとあります。副省長らが飲んだのは、今のところサンプルからメラミンが検出されていない三元か海外ブランド辺りを飲んだのではないかと思いますが、メーカーを出さないところがうさんくさい。

 ギョーザの時と異なるのは、被害が主に中国国内で広まっている点です。他人事のように装うことは無理そうなのですが、省関係者や企業に詰め腹を切らせるだけで終わらせる気満々です。

 三鹿の名前を当初隠していたことが言われています。11日、河北三鹿集団が自社製粉ミルクからメラミンを検出されたことを新華社が報じ、即時回収が発表されました。この日の報道では三鹿がいきなり名指しで狙い撃ちされているのに唐突な感じを覚えます。

 これより3日前の8日には、被害が出ていた甘粛省蘭州市の蘭州晨報が「某企業」と名前を伏せつつ報じているからです。名前は出せないけど、あそこだよと目星はついていたのでしょう。

 16日には農業担当の副市長、牧畜水産局長、食品薬品監督管理局長、質量技術監督局長らがいっせいにクビを飛ばされ、さらに三鹿集団に出張っている党幹部も上級機関に解任されました。上級機関て?

 中国企業500傑であり、国家重点企業など、国家品質管理先進企業など、今となってみればかなり恥ずかしい称号を与えていたのは国務院のはずなのですが、こちらは前回の鉱山土石流に続いてスルー。

 毒ギョーザと同じ国家質量検査総局が管轄しています。2回目なのでシャレにならなそうなんですが、今のところ人事はそのまま。どうも意図的なものを感じます。前から問題視されていた検査免除制度を廃止したことだけは褒めてあげますけど、安全宣言を出した輸出用乳製品からじゃんじゃん検出されているのは痛いです。

 輸出用乳製品からメラミン検出されず(2008/09/17 国家質量検査総局)
http://www.aqsiq.gov.cn/zjxw/zjxw/zjftpxw/200809/t20080917_90113.htm
 伊利集団の牛乳を飲んでいた香港に住む3歳の幼児が腎臓結石を患っていることが、発表の4日後に分かり、日本でも伊利製牛乳を原料として製品に使用した丸大の商品からメラミンが検出されています。収まりかけていた中国製食品に対する不信感が再燃したことは喜ばしい限り。

 また、中国版不二家のミルキーとも言うべき光明の大白兎から検出され、まだ検出が確認されていない中国国内でも26日より販売を自主的に停止し、回収に追われています。この翌日には検査免除制度の廃止と、上記3社の国家名牌製品指定取り消しを行った国家質検総局の実力がまた発揮されました。

 日本人の感覚であればスーパーなどの店頭から回収し、ほとぼりが冷めるまでは製造停止で当然というところですが、中国回収されるはずの商品が価格を下げて在庫をはかせるという荒業を使っているところもあり、9月14日以降に製造された「問題のない製品」が既に市場に出回っていたりします。流石に手を出す客はあまりいないようですけど、普通に売るんですね。

 それでも首を切られない中央の役人、謎です。
ニックネーム aquarelliste at 23:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 消息

2008年09月15日

土石流事故で孟学農引責辞任

 8日午前8時ごろ、山西省臨汾市にあるモグリ鉄鉱山を襲った土石流事故ですが、死者は14日18時までで254人にまで達しました。もちろん鉱山事故では今年最大規模となっています。

 山西省のモグリ炭鉱は表向きは一斉閉山された後も事故が相次いでいるので油断していたのですが、11日には予想を上回る三桁の被害者数(151人)をマークし、省長である孟学農が「省長であり全省の安全生産の責任者として、事故に遭われた方とそのご家族には謝意と哀悼を」とコメントを出しました。

 13日には鉱山のある襄汾県書記と県長が更迭。そして遺族に賠償金20万元を支払い、胡錦濤と温家宝が「重要指示」を出す、ここまではよくある流れです。

 孟学農山西省長を辞任、王君が代理省長就任(2008/09/14 17:32 新華網)
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-09/14/content_9990462.htm
 ところが孟学農が翌14日に辞任を申し出て、省人民大会常務委員会がこれを受理しました。辞任とありますが、引責によるものであることは、これまで人民が何らかの原因で多数死亡しても「省の安全生産責任者」である省長クラスの引責辞任例がほとんどないことから明らかです。

 国務院には「大型事故の行政責任追及に関する規定」というものがあるそうですが、詰め腹を切らされるのはせいぜい県クラスの指導者で上の方には及ばないため、規定など機能していないのです。

 日本の高校生が修学旅行中に鉄道事故に巻き込まれ多数の死者を出した1989年当時、鉄道部長を務めていた丁関根が辞任したことがありましたが、これは外国人で国際問題になりかねないので例外です。

 国家食品薬品監督管理局の局長が即効で死刑判決が下り、間髪いれずに死刑が執行されたのは去年ですが、これは中国が輸出していたペットフードやシロップに洒落にならない量の毒が入っていたためで、これも国際問題ですね。この人にはついでに国内の危険な薬品の責任もかぶってもらってました。

 対照的に事故現場のある山西省では、これまでも炭鉱事故で2桁、3桁クラスの死者を出す事故が頻発しても省書記や省長、さらには監督官庁で真っ先に責任をかぶるべき国家安全監督管理総局の李毅中局長も、「教訓を汲み取る」と再三言い続けながら、その教訓やら経験やらを活かされることはなく、任期中に責任が問われることもありませんでした。

 四川省ではバス事故で乗客51人全員の死亡が確認されましたが、四川省長が詰め腹を切らされるかどうか。2桁なのでどっちみち責任問題にまでは行かないでしょうけど。

 孟学農は13日には省長として改めて事故処理に対して指示を出していながら、その翌日には辞任が受理されるというスピード人事、何事かとなるわけです。

 孟学農は北京市長だった2003年春、全人代絶賛開催中に北京で感染が広がったSARSの公表を渋った責任を取らされ、江沢民派と目され、安全宣言を出した衛生部長と痛み分けの形で解任され、今年1月に山西省長として復活するまで冷や飯を食っていました。

 党中央委員は解任されていなかったので復活は時間の問題だったのですが、再出発という矢先にまた引責辞任の憂き目に遭った上、後任が国家安全監督管理総局の局長というから驚きです。李毅中の責任はまったく追及されていないのに、同じ部署から後任が「安全対策の専門家」としてやってくるのですよ。あれ、おかしくね?監督官庁は責任取らないわけ?

 国務院事故調査組設立 王君・安全監督総局が組長に(2008/09/11 11:17 安全監管総局)
http://www.chinasafety.gov.cn/zuixinyaowen/2008-09/11/content_287833.htm
 事故現場で熱心に説明を受ける、馬凱(中央の黒ジャン)、王君(左のポケットにてを突っ込んでるおっさん)、張宝順(右の黒コート)、孟学農・・・あれ、孟学農だけ見当たらないぞ。

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 表面的だけでも日中友好関係は好転していると思っている中国と中国人に、冷水をバッシャバッシャと浴びせる調査結果。

 日本メディア「日中関係」の民間アンケート結果に注目(2008/09/12 23:41 青年参考)
http://qnck.cyol.com/content/2008-09/12/content_2356778.htm
■中国「日中関係良い」5割 日本と反対、食の安全影響(2008/09/08 21:26 産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080908/edc0809082123003-n1.htm
 詳しい結果は産経の記事を読んで頂くとして、日本人の対中観が意外と悪いことに驚き、また納得し、安心もしています。

 「この1年で相手国に対する印象は変わったか」という問いに対し、改善されたと答えた日本人はたったの10%、「日中関係が今後良くなる」と答えたも32%と頼もしいかぎりですが、この結果が中国で拾われているところがいいですね。

 言論NPOでも指摘されていることですが、中国人の「改善」というのは結局党中央の意向をそのまま口にしているに過ぎないのですが、それがモロに反映されたことでこちらも安心しました。

■日中共同世論調査記者会見
http://www.tokyo-beijingforum.net/index.php?option=com_content
&view=article&id=350:top2008080908&catid=58:header
■2008年第4回日中共同世論調査
http://www.tokyo-beijingforum.net/index.php?option=com_content
&view=article&id=345:canvass4th2008&catid=83:canvass4th2008&Itemid=160
ニックネーム aquarelliste at 22:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 消息